9/18どんぐり記念日の午後
2008年9月18日(木)午後
担架に乗せられて団地の階段を下りてゆく。
僕はというと下はトランクス一枚、上は汗まみれの袖無しシャツという、なんとも冴えないみっともない姿で表へ出たワケで、大勢の近所の人達が覗き込んでいる中に職場の上司と心配そうな顔をした女子社員の顔が見えた。
「あっ、ヤバッ、見られた・・・」まっ、とりあえず意識はハッキリしていたようだ。
そしてついに生まれて初めての救急車に乗っちゃったぁ
内心ビビリながらも、なる様にしかならない状況なのだ
「ガンバレッ自分、何か聞かれたらしっかり答えろよ」
不安がいっぱいの中でしっかりしてるとこを見せようと、ちょっと必死なぼくだった。
ドラマのシーンみたいに救急隊?の人や上司が上から覗き込む車中で「お名前、言えますか?」と患者の意識確認をする質問が始まった。
何かテストを受けている気分・・・・
後で聞いた上司の話ではちゃんとハッキリ答えてたとのこと・・・やれやれ。
やがて市民病院に到着。白衣を着た人が何人かいてあわただしい雰囲気。
このままドラマでは手術室に入り「手術中」のランプが点灯するはずなのだが・・・
CTとレントゲン撮るからということで病院の中をグルグル回ってどこかの部屋へ入った。
頭の中で出血してるらしい。
明日の朝、CT撮ってその状況で手術するかしないか決めましょうとのこと。
そしてナースステーションの隣の集中治療室へ。
いきなり着ていたものを脱がされて赤ん坊状態。
「オシッコを取るのに管を入れますからね、ちょっと痛いかもしれませんが我慢して下さいね」身包みはがされた状態の恥ずかしさなどすっ飛んでしまった。
尿道に管が通るときのなんともいえない気持ちの悪さ。
想像していたほどの痛みではなかった。
幾つかの点滴がぶら下げられている。もともと注射が大嫌いだったが、事が重大なだけに怖いとか嫌いとかの感情などもすっかり何処かへすっ飛んで行って、
まな板の上の鯉みたいに好きにしてくれーな気分だ。
本当は恥ずかしかったのだが、重病患者なんだという自覚みたいなものがあって。
全てを任せる覚悟ができたのだろうと思う。
そして駆けつけてくれた従兄弟や職場の同僚が必要なものを手分けして買ってきてくれたりして、ぼくの入院生活はスタートしたのだ。